城定イハが魅力的に見える理由
以上のように物語中盤〜後半で活躍するキャラクターですが、そもそもなぜ男は城定イハに惹かれるのでしょうか。
私なりの主観でまとめてみました。
魅力の秘密①:距離感
主人公の青とは映画撮影当日に初対面で意気投合して、イハの家へ行くことになるのですが2人はずっと敬語とタメ口を織り交ぜながら喋ります。付かず離れずの距離感が妙にリアルです。こういう距離感はイハだけでなく青が持っている人との距離感との融合で生まれるものだとは思いますが、時々でるタメ口にドキッとする男性も多いのではないでしょうか。
青は少なくとも27歳以上ですが、イハは「下北沢に大学から住んで約4年」と言っているので順当に考えると22歳前後。5つぐらい年上の青にタメ口を発動できるのもすごいですね。
また心理的な距離感だけでなく、家に連れてってくれる積極性・飲み会で孤独なのをみて隣に来てくれるなど、物理的にも距離を詰めてくれます。(奥手な男子にはぴったり)
演じる中田青渚さんは兵庫県出身であり、イハも関西弁。これがマッチしているため、より自然な演技になっているため、リアルな距離感の演出になっています。
魅力の秘密②:言って欲しいことを言ってくれる
物語を見る上で視聴者は登場人物に感情移入していくものです。イハは歯に衣着せぬ物言いをするため、物語上でも言いたいことを言ってくれます。
具体的には登場シーン解説でも書きましたが、映画出演全カットの理由を聞かれた時の「下手やったからですね。」とか、
イハの家で2人で話すシーンでは、最初に話題があまりなかったところへ「聞きますよ?恋バナ」と切り出してくれます。
最後のわちゃわちゃシーンでも隙あらば発言していて、「え?雪さんも(青と)やり直したいんですか?」と口を出して八つ当たりされるのはかなり笑いました。
魅力の秘密③:自分にしか見せないホーム感
初対面の青とは急に距離を詰めることになるイハですが、映画制作のコミュニティではそうではないようです。
青に言った「友達、、、友達になって欲しいかも。友達おらんし私。」という発言があります。飲み会後の「私もアウェイなんで」発言。お披露目上映会後の打ち上げに当然の如く行っていない状況からも、本当に友達いないんでしょうね。
高橋が田辺さんとの言い合い中に、イハに助けを求める場面からも、人と険悪になるわけではないが特に親しい人がいない、ということなんだと予測できます。また美大に進学するときに関西から下北沢に上京していることが状況と思われますので、高校までの友人も東京にはいないのかもしれません。
そんなイハだからこそ自分にはホーム感を見せてくれることにグッとくる、という構造になっているのです。恐ろしや城定イハ。