映画「街の上で」城定イハは悪女か天然か

邦画
(C)「街の上で」フィルムパートナーズ

②打ち上げ「とんかつ定食の定に、お城の城」

なぜか映画撮影の打ち上げに参加した青。もちろん完全アウェイで話す人がいないなか、途中でイハが日本酒を持って青の隣に来てくれます。

飲み会に一度でも行ったことがある人はわかると思いますが、この時点で救世主イハ様。たまらん。

その後自己紹介をするときに、「城定秀夫監督の城定」と説明するも、ピンと来ていない青、そこでイハは「とんかつ定食の定にお城の城」と説明します。名前のイハについては言及していませんが、公式サイトやエンドロールでは「イハ」となっています。本当にカタカナなのか、漢字が不明なのでカタカナ表記なのかは誰も分かりません。

映画撮影の控え室から撮影完了まで全てアウェイだった青が、ここで少し救われるシーンですね。

撮影でガッチガチで使える映像が撮れなかった青ですが、周りからはそれとなく触れないように扱われますが、イハは違いました。隣で飲んでいるときに「確かに。ガッチガチでしたね。」と忖度のない一言。

青にとっては変に気を遣われるより楽だったかもしれません。

③ホーム「相撲詳しい人?」

打ち上げ後、映画作成メンバーが2次会にいく中、青はあまりのアウェイさに2次会には行かずに帰ろうとしました。

そこでまさかのイハも2次会にいかず「ちょっと付き合ってくれません?ホームに」といって青を誘います。

イハの家は控え室に使っていたアパートなのですが青はそこに上がり込んでしまいます。

その後はお互いの距離が近くなったり遠くなったりの、超長い会話シーン(役20分近くも1カットが続く)。これがこの映画の見どころシーンでした。

今日会ったばかりなのにお互い話しやすく、恋バナをする流れになり、イハは関取と付き合っていたことを告白。青も雪にフラれた時の話などをします。このシーンが本当に良い。ブログの文章などでは言い表せられないくらいのシーンです。平凡ですがコミカルな会話で、ずっと見ていられる。

結局夜まで話し込んで、青はイハの家に泊まることになります。(でもホンマに何もないです)

④最後のわちゃわちゃシーン「最低やな。」

翌朝イハの家を出て「(イハ)コンビニまで送るわ」と2人歩いているとき、雪がバーのマスタと2人で歩いているのとバッタリ出会います。物語のクライマックスのシーンでシュールな笑いもかなりある、最高のシーンです。

雪も青もよりを戻したがっているのが徐々にわかっていくシーンですが、序盤はあまり関係のない会話が進みます。

雪が突然「わたし付き合ってたとき青に一回殴られてるんですよ。」と衝撃の告白。青は「そっちが先に殴ってきたんでしょ。」と男らしくない言い訳をしますが、マスターが「それでも女性に手をあげるのは良くない」と正論。イハも「最低やな。」と追撃。ここのテンポ感すきでした。

⑤「えーーー。下手やったからですね。」

映画公開後、古着屋店員の田辺さんは友達の青の出演シーンがなかったことの理由を監督の高橋に詰め寄る。

お互い我が強く、言い合いのようになってしまうシーンですが、ここでイハで通りかかり、同じように「なぜ青のシーンがひとつもないのか」と詰め寄られます。

そこでイハが言い放った一言「えーー。。。下手やったからですね。下手やったんで、監督、その場で別の人で撮り直してましたよ。もぅ、ガッチガチで、そりゃあカットですよね。」いやイハちゃん最高かよ、というくらいすっとする発言。

高橋が最初カットの理由を言い繕おうとして結局言い合いになってしまっていたので、逆にスッキリしたシーンでしたね。

⑥古着屋にて「いや、出てましたよ?」

その後イハは映画公開の打ち上げに行くことなく、青の古着屋を訪れます。

そこで上映会が今日だったと伝えると、青からは「どうせ全部カットでしょ?」と聞かれます。そこで何とイハは「いや、出てましたよ。」と言います。青は「えマジで?」という流れになるのですが、これはイハなりの優しい嘘なのか、青との関係を繋げておくための嘘なのか、解釈が分かれるところですね。

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