〜宇宙船にひとりぼっち!?〜【ネタバレあり】映画「パッセンジャー」感想・レビュー

洋画
© 2021 SONY PICTURES ENTERTAINMENT (JAPAN) INC

あらすじ

宇宙移民のために地球を立った大型宇宙船アヴァロンは乗客5000人を乗せて移民先の惑星へ向かっていた。所用期間は120年のため乗客・乗組員は全員、冬眠ポッドに入り到着の数ヶ月前までは新陳代謝を止めるという技術で眠っていた。主人公のジムが目を覚まし、到着の準備するための説明をAIロボットから受けるが次第に他の乗客が目を覚ましていないことに不信を覚える。検索システムで調べてみるとまだ出発から30年しか立っておらず、到着まで約90年もあり自分が機械のエラーで冬眠が解かれたことに気づく。。。

監督:モルテン・ティルドゥム

出演:クリス・プラット、ジェニファー・ローレンス、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・シーン

公開:2017年

評価 ※以下、ネタバレを含むため、未視聴の方はご注意ください。

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ストーリー

評価 :7/10。

SFものです。この前、会社の後輩にSFはなんの略語か知っている?と訊くと、「スペース・ファンタジー!」といっていました。というほど世間的には宇宙のイメージが強いのでしょうか。実際、本作も宇宙ものです。宇宙の怖さと美しさみたいなものがシンプルですが綺麗に描かれています。本作はSFらしく、AIとかロボットの無機質さも表現されていますね。終盤に甲板長のガスがひょっこり登場したりして飽きないストーリーになっています。

キャラクター

評価 :7/10。

主人公のジム(技術者。自己的に冬眠が解ける)

ヒロインのオーロラ(小説家。眠っているとこをジムに一目惚れされ、ジムが寂しさのあまり起こす)

ガス(甲板長)終盤にアヴァロン号のエラーが続いた時に冬眠が解けてしまう。

アーサー(AIロボットバーテンダー。空気を読まず、オーロラにジムが冬眠から起こしたことを言ってしまう)

以上の4名でほぼ全てのシーンが構成されています。それぞれが自身の過去などをベラベラしゃべったりせず、回想シーンなどで人物像を補完されることも少なかったですが、性格がよく出ています。特に主人公のジムが一人の時にいろんな暇つぶしをするがやがて孤独に耐えられなくなる感じ、オーロラに一目惚れし、冬眠から起こそうかどうか迷う描写、起こしてしまったあとの罪悪感の表現は人間のリアルな表情が出ていたと思います。なぜか視聴者側も罪悪感を感じてしまうほど、感情を移入してしまいますね。

音楽

評価 :8/10。

音楽はすごく効果的に使われています。トーマス・ニューマンという方が担当し、アカデミー賞の作曲賞にノミネートされています。宇宙を感じる音楽というと安っぽい表現ですが、そういう音楽です。一方で無音の場面も多く、シーンとしたシーンでは宇宙ならでは・宇宙船に独りならではの沈黙が流れて、うまく表現されていると感じます。

再度見たい感

評価 :5/10。

1回みれば内容は理解でき、伏線などもないため複数回みると視点が変わって〜〜ということはないです。しかしストーリ自体はシンプルにまとまっており、視聴後のスッキリ感もあるため何回見ても楽しめると思います。

総合評価

評価 :7/10。

総合評価は7とさせて頂きました。SFとしてハードな内容ではなく気軽にみられる良作だと思います。

ピックアップ感想

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AIバーテンダー

ジムが独りで起きてから、心の拠り所になるのがAIバーテンダーのアーサーを擁するバーです。この場所はオーロラを起こして二人でいい感じになったり険悪になったりしてからも毎晩のように登場するコミュニケーションの場になります。アーサーはロボットで上半身は人間の見た目、下半身はカウンター内を効率的に移動できるロボットになっている「ロボット版ケンタウロス」です。

アーサー以外の宇宙船内システムの会話システムでは基本的に普通の会話は難しく、想定外の質問には対応できない様子で、Siriの「すみません、よくわかりません」状態になり、近未来を思わせるのですが、アーサーの会話能力はすごいです。基本的な世間話や相談など、普通の人よりもスムーズに会話できるのでは、というレベルで自然な会話ができます。

唯一の失態はジムがオーロラ起こしたことをばらしてしまうことです。これはジムの言った「俺たちには秘密は無い」という言葉を解釈し、秘密を無くす=秘密にしていることを全て打ち明ける、という解釈をしてしまうためです。結果的にはジムと出会えたことに感謝するまでになりますが、最初は当然ながらオーロラは激昂し、殺人者扱いをしますので、やはりAIのコミュニケーションの欠点があるなぁ、と感じますね。

かっこいいガス

物語終盤に出てくるガスは宇宙船のスタッフ側の人間です。アヴァロン号のシステムにエラーが増えてきて冬眠ポッドが故障して起きてくるガスですが、不運なことに冬眠ポッドの壊れ方が悪く自身の体にダメージがある状態での起床になってしまいます。そのためすぐに体調が悪くなり息を引き取りますが、それまでの活躍がすごいです。まずスタッフ専用のIDをもっているため、操縦関係の部屋に入れるようになったこと。ジムがオーロラを起こしたことを「許されることではない」と言いつつ、一人で一年生きて孤独に耐えられなくなったジムの気持ちにも寄り添ったこと。最後は騒ぐことなく息を引き取ること、船と乗客の安全を第一に考えること、全てがかっこいいですね。登場時間は少ないですが、インパクトがあるキャラクターだと思います。

おわり

以上になります。

パッセンジャー「ズ」という飛行機事故を扱った映画とは別物ですのでご注意ください。

こんな感じで、映画を中心にゆるい感想を載せていっていますので「参考になった」「感想を共有できた」という方は是非ほかのレビューも観ていって下さい。

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