【ネタバレあり】映画「累 -かさね-」感想・レビュー

邦画

あらすじ

かつての大女優を母に持っていながら、累は幼い頃から見た目にコンプレックスを抱きながら生きてきた。ある日、法事に出席した際に謎の男、羽生田が現れる。羽生田は累にある女優の代役をやってほしいと言い出す。その女優とは容姿端麗だが演技がパッとしないニナであった。ニナは自分の代役の顔を見た途端、「こんなヤツに自分の代役は務まらない」と不満を言うが、累は口紅を取り出して自分に塗る。そしてニナにキスをする。するとニナと累の顔が入れ替わってしまう。生まれながらに演技の才能がある累はニナと協力し、顔を入れ替えて演劇のオーディンションに挑戦していく。

監督:佐藤祐市

原作(漫画):松浦だるま

出演:土屋太鳳、芳根京子、浅野忠信、横山裕

公開:2018年

評価 ※以下、ネタバレを含むため、未視聴の方はご注意ください。

(C)2018映画「累」製作委員会 (C)松浦だるま/講談社

ストーリー

評価 :6/10。

漫画原作らしいトンデモ設定ですね。入れ替わり系ですがポップではありません。少しサスペンス系の映画の雰囲気があります。ラストシーンは少しゾッとしますがホラー要素はありません。顔を入れ替えて成功する累、一方で顔を奪われる頻度が高くなっていくと、人生を乗っ取られる感覚になり自分の名声が伸びているにも関わらず精神的に不安になっていくニナを描いています。こういってしまえばストーリーに波がそんなにないように思えますが、観ていて飽きませんでした。

キャラクター

評価 :8/10。

累とニナの演技をする土屋太鳳さんと芳根京子さんが素晴らしいです。顔が入れ替わるため、両極端なキャラクターまでこなさないといけないですが、説明がなくても入れ替わっている状態か否かが一眼でわかるほどです。面白いと感じたのが、ニナを演じる土屋太鳳さんの舞台上での演技が、ちゃんとヘタに演技していることで、これがまた絶妙に部ヘタなんです。必見ポイントです。

やり手の若手演出家として烏合(横山裕)が出てきます。クールなキャラで黙っているうちはハマり役かなと思っていたのですが、喋り出すとダメでした、、、あまりネガティブなことをいうとジャニーズファンの方にボコボコにされそうですが、この映画での唯一の欠点に見えました。

音楽

評価 :5/10。

再度見たい感

評価 :5/10。

1回みたらいいかなーと思います。特に伏線とかないですね。終盤、偽物の口紅が登場して騙し騙されの下りがありますが予想がそんなに難しくない流れです。

総合評価

評価 :6/10。

総合評価は6とさせて頂きました。漫画原作は読んだことがないですが、映画としてうまくまとまっているし、ダブル主演の方の演技が素晴らしいです。

ピックアップ感想

サロメとの繋がり

物語終盤では、舞台「サロメ」でニナが主演をすることになり、その難しい役に天才的な演技の才能を持つ累でもかなり苦戦します。そんな難しい役のサロメは、最後まで手に入れることができなかった王子を手に入れるため、憎き王の前で従順にダンスをし、その褒美として首を取らせ、キスをするという激ヤバ執念のやつ。母親から受け継いだ口紅も相手の顔を奪い、自分のものにするという側面があるため、これが重なり累はサロメの役になりきるのが怖くなります。実際はラストシーンでは見事に吹っ切れて演じきり、拍手喝采の中、エンドロールへと遷移します。

ダンスシーン

舞台サロメのラストシーンで、土屋太鳳さんのダンスシーンがあります。土屋太鳳さんは幼い頃からクラシックバレエ、ヒップホップダンスなどの経験があるようで、このシーンは見事ですね。見応えがありますし、サロメの執着というものがそのまま現れているような迫力があります。

(C)2018映画「累」製作委員会 (C)松浦だるま/講談社

演技力

私は土屋太鳳さんは今まで映画「orange」などのラブコメ系でしか見たことがなく、演技が上手なイメージがなかったのですが、この映画で払拭されました。こういう際どくダークな役はすごくあっていると感じます。累役の芳根京子さんも役にピッタリあっていましたね。頬の傷があり、見た目のコンプレックスに拍車がかかっている設定ですが、傷が似合ってしまっています。かっこいいと感じてしまう中学二年生もいるでしょう。

おわり

以上になります。

こんな感じで、映画を中心にゆるい感想を載せていっていますので「参考になった」「感想を共有できた」という方は是非ほかのレビューも観ていって下さい。

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